例に洩れず、今回も発売後3週間ほどでウェブ上に違法アップロードされた。毎度のこととは言えげんなりする。しかも、わずか4日で、70 k visits & 1.2 M hitsの盛況ぶりだ。1回ウェブ上にアップロードされると、ネズミやゴキブリのように大量に拡散されていくし、拡散されていった先を一々探して、一々報告するのは、精神がゴリゴリ削れる。
個人情報は大切に
そこで、今後の販売について以下の対策を行うことにした
今までは、読者の立場として、DRMによるプロテクトがかけられている状態が好きではないので、DRMによるプロテクトをかけていなかったのだけれど、次回以降は原則的にDRMによるプロテクトをかけて販売することにする。
ただし、発売後3ヶ月ほど経過した段階でDRMをかけていないpdfファイルを再ダウンロード可能にする。なぜなら、DRMによるプロテクトをかけると、ウェブ上への違法アップロードの始まりは遅れるけれど、なくなりはしない。正規版が違法アップロード版より不便なんてことは絶対あってはならない。
また、僕自身の手で拙訳した英語版を同梱する。さらに、英語版には、余白部分に正規コンテンツの購入場所のURLを一応記載することにする。経験上、TSFもののようなマイナー性癖ものは、絶対的な供給量が世界的に少ないため、違法アップロードは日本人の手によるものより、英語圏の外国人の手によるものの方が圧倒的に多い。そして、彼らは、有志の手による翻訳を期待して、日本語版を平気でウェブ上にアップロードする(泥棒達のことを有志などとは呼びたくないが)。
英語版の制作を開始することにしたのは、上述した「英訳版の制作を期待しての違法アップロードを防止すること」以外に、
- 海外の掲示板に出向いて、度々英語で説得したり、ぶち切れたりしてみたものの全く効果がないどころか開き直られこと(一部良心的な人は居たけれど)
- 泥棒達と英語で会話する労力があるなら翻訳テキストを作った方がましだということ
- 勝手翻訳のクオリティーがあまりに低いこと
が理由だ。
ここで、「勝手翻訳のクオリティーが低い」という話だが、もちろん翻訳後の文章は、文法やイディオムの使い方についてならば、僕の作る英文と比べて勝手翻訳の方が質が高い。しかしながら、彼らは日本の文化や、作者の意図を無視して翻訳をするので、勝手翻訳では、制作者が埋め込んでいる細かなニュアンスのいくつかが欠落する。
例えば、日本の文化では、「先輩後輩」というくそったれな序列が存在するが、西洋文化では、このような序列は影が薄い。だから、西洋人たちによる勝手翻訳では、「先輩後輩」の関係を単なる”friends”としてしまい、作者である僕が日本語の台詞に込めたニュアンスが欠落してしまう。他にも”lover”と”girlfriend”を使い分ける意図で「恋人」と「カノジョ」という風に日本語を使い分けているにも関わらず、その違いを無視して翻訳したりなど、理解力が稚拙すぎて頭にくる。
正規版を購入して頂く方達にはご不便をおかけすることになりますが、よろしくお願いいたします。できれば、DRMを解除するぐらいのタイミングで、おまけ要素(女性声優さんによる読み上げ音声や、カラーページの追加など)を配布できればいいな、と思っております。